1.まえおき |
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グレステン・グランジャーとは、技術革新によって商品化された「陸上スキー」の事である。このグランジャーには「ベクトルタイヤ」と言う特殊なタイヤが使用されていて、スノースキーと同じ感覚で使用することが出来る用具である。
ベクトルタイヤと言う聞き慣れない名前から最近、全国から問い合わせが来ている。開発者が勝手に付けた名前であるが、機能面から考えるとイメージ的にぴったりくる力学解析手法から付けられている。
このベクトルタイヤは、従来のタイヤと異なり、いろいろなベクトルに対して正確に反応した挙動現象を呈するタイヤである。ここで言うベクトルは、物理量の中でベクトル量であるものを力学解析手法で捉えている。したがって、電気工学の交流をベクトル表示で捉えることと本質は同じでもイメージ的に異なるものである。
グレステン・グランジャーと言う陸上スキー(グランド・スキー)について技術的特徴を説明するには、「ベクトルタイヤ」の概念と作動原理、更にその挙動現象等についてその特性を見る必要がある。次にその技術的概念や機能特性等について従来タイヤとの違いを示す。
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2.従来のタイヤの走行原理 |
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一般的にタイヤは、中心に車輪軸を設け、外周部のゴム製部材とそれを支えるリム及びフランジにベアリングを挿入して構成されている。
走行は軸回転によって行われ、走行方向は車輪軸に対して直角方向である。その場合、車輪軸を軸方向左右に角度傾斜(自動車のキャンバー等も含む)と荷重を与えても、それとは無関係に直角方向に走行する。即ちタイヤ自体は走行方向についてベクトルには全く反応しないのである。
こうした現象は、同時に車両の走行安定性に繋がっており重要な機能の役割を果たしている。
しかし、このタイヤを陸上スキーに用いた場合は、どうなるか?・・をみると、スキーの場合はスライド走行機能やプルーク機能といった全く正反対の機能が要求され、従来タイヤの機能では使用不可能である・・という結果になります。
単にタイヤをスライド走行させるだけならタイヤ部の弾性変形のみでよい訳で実用化するのに200年以上もの開発期間はかからなかった事でしょう。
ここで重要なことは、スキー機能としてタイヤを見た場合、スキーヤーの身体動作や感覚機能に対してそのタイヤがスキーと同じように働くタイヤかどうか・・・?ということに帰着するのである。
ベクトルタイヤにはタイヤ自体にスキー感覚に合わせた働きが出来るように設計されている。即ち、タイヤ部が単に弾性変形するだけの働きではなく、プレーヤのエッジング角度や加重・抜重に対して正確に反応しているのである。
このようにベクトルタイヤは優れた機能を備えたタイヤですが、従来タイヤとの違いについてその特性を性能機能別に「表1−1、表1−2」に整理し、表示する。
この表に見るように従来タイヤの特性は、自動車、オートバイ、自転車、等の使用には全く問題ないが、陸上スキーやインラインスケート等の様にスライド走行やプルーク機能を必要とするスポーツ用具等には全く適していない事が理解出来る。
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【表1−1】従来型タイヤ使用製品の性能機能特性
製品別 / 機能
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舵取り装置
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ブレーキング装置
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プルーク走行機能
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スライド走行機能
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グラススキー |
一輪車方式
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無し
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不可能
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不可能
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ローラースキー |
機械方式
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無し
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不可能
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不可能
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クロカンスキー |
無し
(ステップ)
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無し
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不可能
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不可能
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インラインスケート |
無し
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機械方式
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不可能
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不可能
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ローラースケート |
機械方式
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無し
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不可能
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不可能
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スケートボード |
機械方式
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無し
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不可能
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不可能
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一輪車 |
身体動作
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無し
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不可能
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不可能
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陸上ボード |
機械装置
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-
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-
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-
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自動車・バイク・自転車 |
ステアリング・ハンドル方式 |
機械方式
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不要
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不要
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【表1−2】ベクトルタイヤ使用製品の性能機能特性
製品別 / 機能
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舵取り装置
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ブレーキング装置
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プルーク走行機能
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スライド走行機能
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グランジャー(ロング) |
ベクトルタイヤ
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プルーク方式
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可能
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可能
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グランジャー(ショート) |
ベクトルタイヤ
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プルーク動作
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可能
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可能
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クロカンGスキー |
ベクトルタイヤ
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プルーク動作
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可能
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可能
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インラインGスケート |
ベクトルタイヤ
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プルーク動作
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可能
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可能
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スケートGボード |
ベクトルタイヤ
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後方踏み込み方式
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可能
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可能
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スレッドGボード |
ベクトルタイヤ
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ハンドル方式
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可能
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可能
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陸上Gボード |
ベクトルタイヤ
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後方踏み込み方式
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可能
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可能
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3.スポーツ用具に関する従来のタイヤと「ベクトルタイヤ」の機能比較 |
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上記の表(表1−1、表1−2)は、陸上スポーツの走行用具として見た場合、従来タイヤ使用のものは舵取り機能やブレーキング機能が現在、未完成であり、最も重要なプルーク機能については、全く対応が不可能であることを示している。
反面、ベクトルタイヤを用いた「グレステンスキー、グレステンスケート、グレステンボード」の場合は、こうした従来の問題点を「ベクトルタイヤ」によって完全解決している点が大きな違いである。
従来の技術概念とは全く異なる新らしい概念で、世界の不可能を可能にした開発成果であり、ベクトルタイヤの最も重要な技術的特徴である。
このベクトルタイヤ(新技術)は、舵取り装置無しで自由に回転走行が出来、更に、スノースキーと全く同じ感覚でスライド走行やプルーク走行が出来ると言う・・夢のような機能を発揮する特徴を持っている。この不思議なタイヤが開発されたことで、新製品が次々と商品化され、21世紀へ向けて、新たな時代の幕開けとなった。
こうした中で、永年月かけて開発に成功した「ベクトルタイヤ」の意義は大きいと言える。ここで再度「ベクトルタイヤとは・・・」についてその技術概念を整理すると次のようになる。
ベクトルタイヤとは・・・?
タイヤ外周部の特殊部材又は構造によりいろいろなベクトルに正確に反応した挙動現象を呈する特殊タイヤの事です。
ベクトルタイヤは、インラインに前輪、後輪の回転軸を固定したままでも舵取り装置無しで、回転軸左右方向に角度変更して加重することにより、自由自在な回転走行が可能となります。この事は、2輪以上の多軸であってもタイヤ断面形状の組み合わせにより基本的に変わらない現象です。
そして、このインライン多軸構造をスキーのように両足に履いて斜滑降やプルーク走行を行えば、スライド走行やプルークボーゲンやブレーキング機能も簡単に可能となります。
しかし、従来型のタイヤでは、インラインの多軸構造に於いて舵取り装置無しで回転走行する事は不可能です。又、同タイヤでは軸方向左右にスライド走行する事も極めて困難です。
こうした一連の現象から従来型のタイヤ概念とは、全く異なる概念を持ったタイヤが「ベクトルタイヤ」である・・と言えます。したがって、ベクトルタイヤの概念とは、下記のように定義づけられます。
【ベクトルタイヤの技術概念】
ベクトルに正確に反応して、いろいろな挙動現象を呈し、舵取り装置やブレーキ装置無しで、タイヤ自体にその機能を備え、上り下り平地の全てに自由走行が可能な特殊タイヤ。
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4.ベクトルタイヤの構造及び作動原理と走行特性 |
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4−1 シンプルな構造が特徴 |
ベクトルタイヤの基本構造は、極めてシンプルな構造である。そして4個の部品から構成されている。シンプルな構造により保守性、剛性、耐久性、等において優れた機械特性を発揮する。
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(1)主軸・・・・・・基本部品
(2)ベアリング・・・規格部品
(3)サイド制御板・・横方向走行制御を行う。
(4)タイヤ部材・・・路面とのなじみ性及び弾性変形率制御を行う。
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上記4個の部品は、それぞれ大切な機能と役割を果たしているが主軸とベアリングについては機械構造上一般的な機能と役割である。したがって、夢のような機能はサイド制御板(以後制御フランジと言う)とタイヤ部材で不思議な機能と役割を果たしている。その構造については別紙図面・・・・「図2−1」を参照されたい。
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4−2 次にベクトルタイヤの作動原理について述べる |
1. |
主軸をフラットに保持してタイヤを軸回転すると直線走行する。この場合はタイヤ部の弾性変形は 通常のタイヤと同じく走行路面から受ける路面衝撃とタイヤにかかる荷重による変形のみである、 制御フランジの働きは 全く作用しない為直進走行となる。
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2. |
車軸方向左右どちらか一方にタイヤを傾けて荷重回転させるとその荷重ベクトルに比例した横方向 走行が加わり、回転前進走行と横走行との合力方向にスライド走行する。この場合はタイヤの左右方向の傾斜角度並びに荷重ベクトルに比例したタイヤ部材の弾性変形により制御フランジによって横走行量が制御され、回転前進走行と横走行との合力方向にスライド走行する。
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3. |
このようにベクトルタイヤはタイヤ断面形状の半径寸法によっても走行ライン特性を制御出来ることから陸上走行用具の全てに回転走行特性を合わせる事が出来る。 |
4. |
ベクトルタイヤの回転走行特性は、タイヤ断面形状の異なるタイヤの組み合わせとホイールベース及び制御フランジの断面形状によって決まり、自由に設定できる。 |
5. |
ベクトルタイヤの回転走行特性は、タイヤ断面形状の異なるタイヤの組み合わせとホイールベース及び制御フランジの断面形状によって決まり、自由に設定できる。 |
6. |
制御フランジの制御量は制御フランジの断面形状によって変更することが出来る。 |
7. |
ベクトルタイヤはタイヤの外径寸法及びタイヤ部材の材質(弾性率、硬度)によってもその特性は 異なる。同じ断面形状であれば外径寸法が大きい程、転がり抵抗は小さい。しかし、硬度は低い程、路面衝撃吸収性は高まるが、転がり抵抗は大きくなる。この現象は従来タイヤの特性と同じである。 |
8. |
ベクトルタイヤの走行特性はタイヤ部材の断面形状と制御フランジの断面形状によってその特性を制御できる点が大きな特徴である。
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4-3 グレステン・グランジャーの走行特性
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グレステン・グランジャーの走行特性は、走行路面により異なるが、特にタイヤ摩耗について大きな差異がある。最小回転半径については、基本的に
◆タイヤ寸法
◆タイヤタイプ
◆ホイールベース
により定めている。但し、プレーヤーの体重・筋力・技術レベルをここでは、体重60Kg、筋力・技術レベルが中級として計算している。「表4−1」に最小回転半径、適応斜度、「表4−2」に最大エッジング角度、ブレーキ特性、等について製品別に特性を示す。
尚、グレステン・スポーツは開発成果を技術的な理由もありシステム事業化(専用マットグランド造成と用具をセット)して商品化し、1998年10月(平成10年)より正式に商業化に入っている。本格商業化に先立って、モニターテストが実施され、専用グランドが全国4箇所(北海道:津別町、秋田:栗駒、新潟:栃尾、長野:原村)に設置された。
このモニターグランドは万一のトラブルを最小限に止めるため無名地域を選定して行ったが現在、事故率ゼロ、用具、専用マットの性能・機能・耐久性等全て予想通りの実績が確認されている。その結果、商業化のために必要な総合的基礎データーが完成し、グレステン・グランジャーの優れた性能機能は勿論、スポーツ・レジャー事業としても高い評価を受けている。
「表4−1」「表4−2」のデーターは、開発元のテストグランドに於いて確認されている。
尚、前記したように、プレーヤーの体重、筋力、技術レベルで大きく異なる点を特記する。これはベクトルタイヤの物理的な特徴であるが、大変重要なタイヤ特性として認識する必要がある。 |
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【表4−1】グレステン・グランジャーの製品別走行特性 |
商品名/特性
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タイヤ外径 |
タイプ:F2
(他にS,M,H)
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ホイール・ベース |
最小回転半径登・下り含む |
適応斜度
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ロング・G |
20cm
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F2
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600mm
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2.73
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15度以内
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ショート・G |
20cm
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F2
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443mm
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2.22
|
15度以内
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ミニ・G |
9cm
|
F2
|
443mm
|
3.27
|
15度以内
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インラインスキー |
9cm
|
F2
|
460mm
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3.37
|
15度以内
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インラインショート |
9cm
|
F2
|
360mm
|
2.79
|
15度以内
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インラインフリー |
9cm
|
F2
|
120mm
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*
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10度以内
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スケートボード
|
9cm
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F2
|
420mm
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2.1
|
15度以内
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陸上ボード |
20cm・9cm
|
F2
|
1250mm
|
3.5
|
15度以内
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クロカンフリー |
9cm
|
F2
|
600mm
|
*
|
15度以内
|
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商品名/特性
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タイヤ外径 |
タイプ:F2
(他にS,M,H)
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最大角付け角度 |
ブレーキ特性 |
ロング・G |
20cm
|
F2
|
45度
|
プルーク動作
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ショート・G |
20cm
|
F2
|
45度
|
プルーク動作
|
ミニ・G |
9cm
|
F2
|
47度
|
プルーク動作
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インラインスキー |
9cm
|
F2
|
56度
|
プルーク動作
|
インラインショート |
9cm
|
F2
|
56度
|
プルーク動作
|
インラインフリー |
9cm
|
F2
|
56度
|
プルーク動作
|
スケートボード
|
9cm
|
F2
|
18度
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後方プレート踏み込み動作
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グレステンボード |
20cm・9cm
|
F2
|
18度
|
後方プレート踏み込み動作
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この挙動現象は、競技スポーツとして取り組むプレーヤーにとって、タイヤの選定が極めて重要である等の基本データーとして必要な情報である。尚、レジャースポーツとして用具選定する場合は上記表にある「F2」タイプで全く問題はない。しかし、最近は競技スポーツタイプの「S、M」タイプを使用するプレーヤーが増えてきた。
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5.ベクトルタイヤと従来タイヤの技術的概念の違い |
ベクトルタイヤは、前記した様に「あらゆる荷重ベクトルに正確に反応するタイヤ」である。その作動原理は極めて簡単で、タイヤ自体を左右方向に傾斜させることで自由に回転走行ラインを制御できる走行特性をもっている。
従来タイヤの場合は、「表5−1」に示す通り、どんなに優れた機械構造を駆使しても陸上でスノースキー感覚の機能は100%出来ないことを示している。陸上スキー開発の困難な歴史に「ベクトルタイヤ」は一応の終止符を打ったと言える。
このようにグレステン・グランジャーの技術的特徴は「ベクトル・タイヤ」にある事から、従来タイヤの技術的概念とベクトルタイヤの概念の比較を下記に示す。
◆ベクトルタイヤは、複雑な舵取り機構は必要ない。(ベクトル作動方式)
◆ブレーキングの概念が従来タイヤと全く異なる。(ベクトル作動方式)
◆多輪構造に於いて差動の概念が従来タイヤと全く異なる。(自動差動機能)
◆従来タイヤに全くない「スライド走行機能」がベクトルタイヤにはある。
◆ベクトルタイヤを用いた走行用具(走行機具)は、後輪による舵取り方式である。
◆ベクトルタイヤは、タイヤ部材の材質と断面形状及び制御フランジの断面形状によって特性を変更できる。
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【表5−1】従来タイヤとベクトルタイヤの特性 |
項目/比較 |
従来タイヤに特性
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ベクトルタイヤの特性
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舵取り機構 |
ステアリング機構 |
ベクトル作動機構(*1) |
ブレーキング機構 |
ディスク・ドラム方式 |
プルーク方式 |
作動機構 |
作動ギヤー方式 |
自動作動方式(*2) |
スライド走行機能 |
不要(機能しない) |
ベクトル作動方式(*3) |
前輪機能 |
・駆動機能(差動機能)
・舵取り機能 |
・ベクトル作動機能 |
後輪機能 |
・駆動機能・差動機能 |
・ベクトル作動機能 |
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*1:ベクトルタイヤはタイヤ部の弾性変形による差動現象としている。(360度方向に変形)
*2:ベクトルタイヤ自体が差動機能を備えている。
*3:タイヤ断面形状と無関係に車輪軸方向加重を与えると全てのタイヤがそのベクトルに対して比例した横方向に走行する機能。全タイヤに変位量が等しくなるベクトルを加えると平行スライド現象を呈する。前後のタイヤに異なるベクトルを加えるとその合力方向に回転走行する。 |
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